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気晴らし細論

2020年02月の記事

Snow Man 目黒蓮という男


どうも、こんにちは。

アカデミー賞のアの字も出さず、トレンド完全無視の記事ばかり載せているこちらのブログですが、本日も時代の流れには乗りません。クリエイターたるもの、トレンドに乗るのではない。トレンドを作るのだ。ともっともらしいこと言ってみたけど、これからするのはただ単に自分の趣味全開の話です。そもそもクリエイターではない。

私は芸能人でもスポーツ選手でも身近な友人でもあまねく賢い人に惹かれるのですが、高学歴なインテリキャラよりも、勘が鋭くて頭の回転が速いタイプの人が好きです。その傾向は最近私が横目で様子をうかがっているジャニーズの推しにも表れております。WEST以上のデビュー組は誰推しとかあんまり考えたことないから除外するけど、キンプリは永瀬くんではなく神宮寺くん、スノは阿部ちゃんではなく目黒くん、トラジャはノエルくんではなくちゃかちゃん、7メンは本高くんではなく矢花、ハイハイは寸分の迷いなくガリさん一択。

え、一箇所おかしいところがあったって? わかってるわかってる。みなまで言うな。それが今回のテーマだ。

本日の主役は、先月SixTONESと同時デビューしたSnow Manのメンバー目黒蓮(23)です。目黒くんはアホなことで有名。それもとんでもないアホ。まず漢字にめっぽう弱い。「連絡」が書けない。「練楽」になっちゃう。楽な練習かコラ。んなもん練習じゃねえ。そして「二酸化炭素」も書けない。「二酸化嵐素」になっちゃう(むしろ「酸」を書けてるのが奇跡)。あと「痛い」とかもやまいだれの二水がなかったりする。書くのがダメなら読むのもダメで、有名なエピソードとして「お便り」が読めませんでした。「広島県」が読めただけでメンバーの向井康二に褒めちぎられる。

ついでにローマ字もわからない。パソコンのローマ字入力というものがよくわからず、パソコンで文字を打つ時はローマ字表を見ながらやります(本人談)。知らないことがたくさんある目黒くんは、ジャニーズという歌って踊る仕事をしていながら、フレディ・マーキュリーが誰だかわからない。「俺フレディさん知らないんだけど」なんて言っちゃう。歴史上の人物ではかなりの知名度を誇るであろう坂本龍馬もフルネームで言えない。下の名前がわからないので「坂本さん」になっちゃう。

教科書というものを開いたことがあるのか疑うレベルのアホ。もはや恐怖。Snow Manは全体的におつむの弱いグループですけど、その中でもお勉強に関しては一番できないと言ってもいい。アホなメンバーたちにアホいじりされる目黒くんがそこにいます。噂によると下の名前の「蓮」は仏教の日蓮と誕生日(2/16)が同じなのが由来とのことなのですが、当の本人は日蓮を知ってんのかあやしいところ。

ところが、だ。なんかおかしいなと思ったのは、Snow ManのYouTube動画の中で絶大な人気を誇る人狼ゲーム回を観た時です。


アホなはずのあの目黒くんが人狼ゲームをそこそこ理解している。しょっぴーこと渡辺翔太は「俺ルールわかんねえもん」と開き直って自ら騎士を名乗るポンコツぶりを晒しているにも関わらず、その渡辺にいつもアホ扱いされる目黒くんは人狼をやりこなしている。まあね、人狼はね、頭のよさも確かに大事だけど、慣れがものを言うゲームでもあるからね、目黒くんが人狼よくやってた人ならわかるのかもね、なんて思っていた。最初は。しかし、9人での第二回人狼ゲーム大会では、それだけでは説明がつかない様相を呈してきます。


以下ネタバレしてるので、気になる方は先に動画をご覧ください。





人狼になった目黒くん、まったく破綻のない論理で自分は騎士だとかたり、まんまと勝利。序盤でラウールに疑いをかけられた時もさらりと躱し、機転を利かせて疑いの目を逸らしました。自分がアホだと思われていることすらも理解して利用した目黒くん。目黒くんってもしかして賢いのかも疑惑がにわかに浮上。

続きまして、雑誌で語っていた恋愛観も、本質を見抜いててギョッとした。

Q.彼女がなぜか不機嫌な時どうする?
A.そういう時は何を言っても無駄な気がするからいったん放置して、タイミングを見てさりげなく話しかける。

正解。不機嫌な時はほっとくのが一番だ。構って欲しけりゃ向こうから来る。

Q.甘えたい? 甘えられたい?
A.どっちも。人間、毎日頑張って生きてたら、甘えたい日も甘えられてうれしい日もどっちもあると思う。だからお互いにそういう存在でありたい。

正解。大人。そして「人間、毎日頑張って生きてたら」というワードが出てくるのがね、頑張って生きてる人にしかわからないことだ。目黒くんは頑張って生きてるんだな、えらいぞ(何様だよ)。

また、ラジオ番組「素のWoman」(現在は番組名「素のまんま」)でも、女の生態をよくおわかりになっているのが見え隠れしています。冬で乾燥してることにかこつけて気になる男性の手にハンドクリームを直接塗る女性をどう思うか、というリスナーからのおたより。

向井「まあ俺はドキドキしちゃうけどね。俺はハンドクリーム塗られたい」
目黒「(向井)康二はたぶん女に騙されちゃうタイプの男ですよね。だって俺は普通に嫌だもん。触られたくない」


目黒、よくわかってんナ〜〜〜〜〜。


思わずうなってしまったわ。ハンドクリーム直接塗ってくる女なんて、ギア全開だもんな。そういう女は用意周到に終電逃すし、同じ原理でちゃっかり授かり婚に持ち込もうとするし、SNSバエバエ妖怪なので匂わせまくるからな。ジャニーズは気をつけなきゃいかん。向井康二は危ない。

さて、女のいやしい生態をよくおわかりでいらっしゃるエピソードは他にもあります。「昔、女友達に「誰にも言わないから好きな人教えて。私も教えるから」と言われたので、交換条件ならいいかと教えたのですが、数日後には好きな人本人にバレていて振られました」というリスナーのおたよりの行間を読む。

目黒「たぶん好きな男の子が一緒だったんじゃない?」

好きな男の子を教えてもらった女の子が、ライバルを減らすために相手の男の子にバラしたと推理する目黒くん。これについては真相はわからないけど、目黒くんの推理はそう外れてないと思う。ダウンタウンDXで「水着のお姉さん」というワードを連発しまくったイケイケ野郎と同一人物とは思えない。

それからですね、本当に文化放送さんは我々に貴重な情報を与えてくださる。感謝。私の中で「目黒くん実は賢い説」の決定打となったのが、先述したラジオ番組「素のまんま」での何気ないトーク。中2でジャニーズ事務所に入るまでずっとサッカーをやっていたという目黒くん。そのサッカー少年時代のポジションが明らかになったのです。


ズバリ、アンカー。


アンカーって、おま、

うまくて賢くないとできないポジションやないか。いや、うまくて賢くて観察力があって体力があってフィジカル強くないとできないポジションやないか。めちゃめちゃ難しいのに、まったく目立たない、そういうポジション。

少々脱線してサッカーの話をさせていただくと、アンカーというポジションはメンバー11人の中に必ずいるわけではなく、戦術によって配置する場合としない場合があります。もっとはっきり言うと、いてもいなくてもいい。これは個人的な考えなので正解かどうかわかりませんが、いてもいなくてもいいアンカーをあえて配置する場合は、チームに優秀なアンカーがいる場合に限ると言ってもいいんじゃないかなと思います。

アンカーのお仕事についてざっくり言うと、

①基本ポジションが敵にボールを奪われると即シュートを打たれかねないゴール前(バイタルエリア)なので、ぽろっとボールをこぼすのが許されない=ボールキープの技術が必要

②陣形的にアンカーの両脇はどうしてもスペースができやすいため、相手に攻撃するスペースを与えないように二手三手先を読んで常に動き回らないといけない=めっちゃ頭使う&めっちゃ体力使う

③敵の攻撃を止めたら(ボールを奪ったら)、自分たちの攻撃にどう繋げるか=状況を見極める判断力と視野の広さが必要

わかります? アンカーって、器用な人がやるポジションよ。ちなみにアンカーは守備の要と言われることが多いのですが、サッカーは攻守が一瞬で切り替わるスポーツなので、守備がちゃんとできてないと攻撃もうまくいきません。つまり全てはアンカー次第。そんなポジションを任されていた目黒くん。しびれた。しかもボランチじゃなくてアンカーっていうのがグッとくる(ボランチはアンカーと似ていますが、イメージとしてはより攻撃的なポジション)。

まあ言うてもプロじゃなくて中学サッカーだからね、そこまで高度なものは求められてないと思うけど、観察力があるからアンカーやらされてたのか、アンカーやってたから観察力が養われたのか、そこのところが気になって仕方ない。サッカー×目黒蓮にこれほど妄想の余地があるとは思わなかったよね。私は目黒くんはフォワードだと思ってたのよ。運動神経のいい子は大抵前線の攻撃的なポジションやってんのよ。どうせゴール決めまくってたんでしょ、はいはい、って思ってたらまさかのアンカーなもんだからたまげたわ。

もうね、わかった。たぶん目黒くんって、本当にお勉強ができないだけなんだわ。目黒くんは、賢い。勘が鋭い。観察力がある。度胸もあるし根性も体力もある。アンカーができる人に鈍感なやつはいない(アンカー崇拝主義)。こういう人は大成するよ。きっと人気者になる。本人が『昼顔』みたいなドロドロの恋愛ドラマやってみたいって言ってたんで、そういう仕事与えてあげてください。




ちなみに私は最近偶然にも職場のバイトの学生に「せみさんはサッカーで例えるとボランチっすね。全部拾ってさばいていくパサータイプの」と仕事ぶりを評価されたので、目黒くんとダブルボランチ組めます(なに言ってんの?)。

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家の中でワニさんと握手 『クロール -凶暴領域-』


どうも、こんにちは。

スリラー系の作品ってあんまり観ないんですけどね、これは本当におもしろかった。真夏の台風の夜に観ると楽しさ倍増すると思います。



クロール -凶暴領域-(2019)

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大学競泳選手のヘイリー(カヤ・スコデラリオ)は、姉からの電話で故郷フロリダにいる父と連絡が取れなくなっていることを知ります。フロリダには巨大ハリケーンが接近し、避難指示が出されていました。危険を承知で父を探しに帰省したヘイリーは、かつて家族で暮らした思い出の家で怪我を負った父を発見。急いで避難しようとした時、近所の沼から侵入したワニが目の前に現れます。


家の近くの沼に住むワニたちが洪水によってテリトリーを広げ、舗道に民家にうじゃうじゃ出てきて、おうちでワニとドキドキワクワクパーティー、リアルワニワニパニックです。家の中でワニとスイミング。あらすじだけでおもしろすぎるでしょ。ずっと観たかった。

こういう映画は大抵が迂闊と軽率の大合戦。天下一なにしてんねん大会なので、ツッコミを入れて楽しむ広い心を持って挑むのが筋というものです。巨大ハリケーンが襲来し、避難指示が出ている区域にわざわざ出向くのがまず頭おかしいんだけど、そこから否定してると作品が始まらないのでスルーしましょう。危険な場所に向かうのはお決まり。父が実家ではなくなぜか昔住んでた家(今は売家)にいるのも、まあ許そう。でもその次の展開はさすがにツッコませてくれ。

父よ、なぜ床下にいる。

はじめから死ぬ気じゃねえか。新手の自殺か?

ちょっとうろ覚えで申し訳ないんですが、何か修理するために床下にいたんだっけ? ハリケーンで家がやられるかもしれないから直しておきたかったのか? でもそれにしたって危ないから諦めなよ。常識と正気を持て。ハリケーンが来ている。避難指示が出ている。この状態で床下に行くことが何を意味するかわからないのか。ヘイリーもな、勇気があるのは大変すばらしいのだけど、床下に行くならもたもたしてないでさっと行ってぱっと帰ってこなきゃだめだ。

さて、そんなわけで暗くてじめじめした不潔な狭い空間でめでたくワニさんとご対面した父娘。ここから世紀のデッドバトルが始まります。ワニは水中では時速32キロで移動するらしいので、水中戦に持ち込まれたら人間に勝ち目はありません。地べたで決着をつけておきたい。しかし父娘はもたくさしているのでなかなか床下から脱出できません。

みなさん、こんな豆知識を聞いたことはないですか。「ワニは噛む力に比べて口を開く力は弱めだから口を輪ゴムで縛るだけで開けられなくなる」と。ヘイリー、輪ゴムを使え。輪ゴムがなければ何かヒモ。口をぐるぐる巻きにしてしまえ。一生懸命念じましたが通じるはずもなく、殊勝に逃げ回るヘイリーを見て、サバイバルに役立つ知識と術を身につけておこうと勝手に決心する。いや、ワニとの遭遇に対処するには武井壮に弟子入りするしかないか。

床下でのバトルが非常に緊迫感のある濃密なものになっているので、床上に逃げられればおれたちの勝利だな。と勝手に思っていましたが、そうは問屋が卸さない。床上浸水。ワニも止まらないけどハリケーンの勢いも止まらない。むしろここからが本番。笑いの本番。

家の外もすっかり大洪水で、車はもう動きません。20mほど先に浮かぶボートに乗って避難したいがそこらじゅうにワニが泳いでいます。そんな時の父の金言。

「ワニは水しぶきに寄ってくる。水しぶきをあげなければ大丈夫だ」

ゆっくり忍び足でボートに向かっていると、吹き荒れていた暴風雨が一瞬静かになります。立ち止まる父娘。

「台風の目だわ」

はよ行けって。空を見上げてるんじゃないよ。一刻を争うんだよお前らは。そうこうしてる間に警報音が鳴り響きます。堤防が決壊したようです。ほらな。はっとした父、言います。

「ヘイリー泳ぐんだ!お前はワニより速い!」

水しぶき上げるなっつったの誰だよ。めちゃめちゃ鼓舞してくるじゃん。スランプ気味でなかなか思うようにタイムが伸びない中、しかも右脚は噛まれて負傷してるっつーのに、かわいい娘をワニのエサに献上する気なのでしょうか? ヘイリーもヘイリーでなんかもうランナーズハイならぬスイマーズハイになっているのか、狂気の沙汰とも言える父の指示に素直に従い、クロール泳法でボートへ一直線。間一髪で見事にワニさんたちの包囲網をかいくぐり、ボートに乗船。

「頂点捕獲者よ!」と我こそは食物連鎖の頂点と言わんばかりのよくわからんドヤ顔を披露した直後、堤防が決壊。大波に襲われてボートから投げ出される御一行。乗船時間は正味40秒ほど。ボートまでワニさんたちとデッドヒート繰り広げた意味な。あの手に汗握る緊迫感を返してくれ。

しかし近隣住民A・B・C・D・Eは即行でワニさんたちにやられたっつーのに、この父娘に関しては何度も噛みつかれ、負傷してはいるものの、かろうじて死の危機をかいくぐっています。もはやワニさん側が忖度してくださってるとしか思えない。ワニさんたちはきっと友情出演なんだと思う。

そして最後まで我々にツッコミどころを提供してくれるという点でこの作品は非常に優秀です。ハラハラドキドキのスリラー要素に加えて、父娘の確執からの雪解けという家族ドラマもあるわけなのですが、ヘイリーは父のスパルタ水泳教育のおかげで選手として開花し、大学も奨学金で通っています。しかし先ほども申し上げたように若干スランプ気味。そんな中でこのワニワニパニック。

お前は昔はベス(姉)よりも長く潜れなかった。悔しくて特訓して、お前自身の力で乗り越えた。お前は強い子だ。と父からの激励の言葉。九死に一生を得てもう怖いものはないぜ、スイマーとしても強くなるって展開ね、読めた読めた。良い話だ。と思っていた。

が、後日談、皆無。

いや、え? スイマーとして一皮むけた姿は見せてくれないのね? あれだけ腕やら脚やら噛まれまくって選手生命に支障はきたさないのだろうか、大丈夫なのだろうか、という不安もあったのだけど、それも回収してくれない。雑というか、いっそ潔いと言うべきか。うん。潔いということにしておきたい。それくらい私はこの作品が好きです。

世界一かっこいい「オーライ」を決めよう 『フォードvsフェラーリ』


どうも、こんにちは。

この作品を観て、ギアチェンジのかっこよさを再確認しました。あと私がワイスピで知ったGT40はフォードの車だということを初めて知りました(運転免許未取得の人間より)。



フォードvsフェラーリ(2019)

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1963年、フェラーリ社の独壇場だったレースカー市場に、大衆車の生産で成功したフォード社が殴り込みをかけます。レースカーについてのノウハウを持たないフォード社がまず雇ったのは、かつてレーサーとして輝かしい成績を残すも病気のため引退してカーデザイナーとなったキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。そしてシェルビーはレーサーとして確かな腕を持つケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)を誘い、2人の打倒フェラーリの挑戦が始まります。


宇宙に行きがちな男マット・デイモンと肉体改造芸人ことクリスチャン・ベイルのバディムービーということで、車好きだけでなく純粋な洋画好きや腐方面の需要にも答える素晴らしいキャスティングとなっております。マット・デイモンは地上で奮闘し、クリスチャン・ベイルは脱がない。

さて、多くの映画評論家が言っていますが、タイトルは『フォードvsフェラーリ』となっているにも関わらず、実際は「シェルビー&マイルズvsフォード」という構図です。なぜか。

フォードはル・マン24時間レースでなんとしてもフェラーリに勝ちたい。そのためには最高のレースカーを開発し、最高のレースチームを作り、最高のレースをしなければならない。シェルビーが連れてきたマイルズは、レーサーとして一流なだけでなく車の知識も豊富でエンジニアとしても優秀なので、レースカーの開発という面でも大いに力を発揮します。しかしいかんせん気性が荒く、長いものに巻かれない性格のため、フォード社上層部は扱いづらいマイルズがお気に召しません。

どうしてもマイルズをレースに出場させたくないフォード社上層部と、マイルズがレースに出なければル・マンは勝てないと思っているシェルビーの戦いがしばらく続きます。意見の相反する両者が折衷案として出した結論は、ル・マンの前哨戦となる大会にマイルズを出場させ、優勝すること。そうすればマイルズをル・マンのメンバーに加えてよし、というものでした。

迎えたレース本番。終盤まで上位をキープし、逆転を狙える位置につけるマイルズ。しかし車(GT40)はまだ開発途中のため、常に試行錯誤を重ねて改良している状態です。レースチームのクルーたちは「6000回転以上は出せない」「エンジンがもたない」「でもこのままじゃ負ける」と焦りを口に出します。運転するマイルズは車の調子がいいと感じているのか、7000以上行けると言いますが、みんなが止める。この大会に関しては2位では意味がありません。1位か、1位以外か。俺か、俺以外か。

みんなの焦りがピークに達した頃、ボードに何やらチョークで書き始めるシェルビー。ピットを出てコース際まで行くと、ラウンドガールよろしくボードを掲げる。


シェルビー『7000+』
マイルズ「オーライ(ギア入れる)」


ここよ。ここが作品のハイライトだから。舞台がル・マンに移る前に私の盛り上がりは最高潮に達してしまった。「オーライ」と言った時のマイルズの、よしきた感。その指示を待ってた、待ちくたびれた、行くぜ俺は。ちなみにこの「オーライ」は、マイルズがイギリス人なので、大げさに言うと「オーライツ」という感じの発音だったのも注目ポイントです(出たよオタク)。ていうか時速200キロとか出てるのにあんな小さいボードの文字が見えるって、レーサーたちはどんな動体視力してんだよ。

7000回転を超えてもなおギアチェンジにギアチェンジを重ね、ぐんぐん加速していくGT40。マイルズが勝負師すぎて、もはやこちらは1位を取れるかどうかの心配ではない。ゴールするのが先か、エンジンが限界を迎えるのが先か。劇場内に響く轟音がマイルズはGT40もろとも大破するのではないか、という予感を連れてくる。いけるのか、いけないのか。天国か、地獄か。

結果はいかに、というところはぜひ本編を観て確認してください。ネタバレはこれくらいにしておきます。

ちなみに私がたまらんなと思ったところをもうひとつ言わせていただくと、マッハの世界においての勝負どころを見極める一瞬の判断力な。マイルズは血の気の多いゴリゴリのレーサーなのが顔にも言葉にも態度にも出てるんだけど、普段は穏やかなシェルビーもル・マン優勝経験のある超一流の元レーサーなのでマイルズとは感覚的なところで理解し合ってて、やはり勝負師の一面がある。上記の『7000+』も、実際に車を運転するマイルズの言葉を信じたのか、自分がレーサー時代に培った経験からか、カーデザイナーとしての考えで判断したのか、それとも勘か。明確なセリフがないのでわからないけれど、多くを語らないそこもいい。マット・デイモンの涼しい顔が憎たらしい。さすが宇宙行きまくってる男は違う。あとクリスチャン・ベイルは今まで見た役の中で一番かっこよかった。結婚したい。



ところで、ル・マンは同じコースを24時間ひたすら走り続けてコースの周回数を競う超絶鬼畜耐久レースなのですが、コース一周どれくらいかかると思いますか。約3分半とかなんですよ。え? それを24時間走るって、全部で何周? 頭おかしくなりそう。

ナーナーナーヘイヤーナ、ナイヤアナーアー(サーミ人とヨイクについて) 『アナと雪の女王2』


どうも、こんにちは。

世界的大人気シリーズの2作目、観たよ。



アナと雪の女王2(2019)

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前作から3年後、エルサの魔法の力はすっかり安定し、落ち着いた日々を過ごしていました。しかしある時からエルサには不思議な歌声が聞こえるようになり、同時にアレンデール王国にも異変が起こります。国民を助けるため、そして自分を呼ぶ歌声の謎を解くため、エルサはアナとともに王国の外へ旅に出ます。


日本では2014年に大ヒットした1作目をついこの前観たわたくしですが(詳細はこちら→情緒がおかしい 『アナと雪の女王』)実は、前作を観た後「アナの恋人になったクリストフはサーミ人」という設定を知って、おうマジか、と思っていました。

なぜなら、サーミ人というのは北欧の先住民族で、つい最近まで(もしかしたら今も)差別の対象として迫害されていた歴史があるからです。アナ雪の舞台であるアレンデール王国はノルウェーがモデルになっていますが、ノルウェーにおいてもやはりサーミ人は迫害を受けていました。

サーミ人については私も『サーミの血』(2016)という作品を観て知ったにわか知識なので偉そうなことは言えんわけですが、まあ逆に言うとこれを観れば基本的なところはおさえられます。とても勉強になる。映像も綺麗なので一見の価値ありです。ちなみに『サーミの血』はノルウェーではなくスウェーデンの話です。

さて、前作においてもクリストフが迫害を受けているようなはっきりとした描写はありませんでしたが、3年後となる本作の冒頭では迫害どころかすっかり城下町に馴染み、さらにはお城に一緒に住んでいるのかいないのか、住んでいないとしても自由に出入りを許可されているらしいので一定の特権を得た立場となっている様子。クリストフはアナの姉であり国の女王であるエルサにも、そして国民たちにも愛されています。

そもそもクリストフ以外のサーミ人は前作の冒頭数分以外ほとんど出てこないので、アナ雪の世界においてサーミ人がどんなものなのかよくわかりませんでした。そのあたりについてはやはり関係各所から指摘が入ったらしく、中には「クリストフはサーミ人のくせにサーミ人らしくない」との怒りの声も。

そんな指摘を受けての改善なのか、最初からシナリオにあったのかは定かではありませんが、アナ雪2では山に暮らすノーサルドラという民族が登場し、彼らが実際のサーミ人に近い存在として描かれています。その象徴でもあるのがアナ雪シリーズのオープニング曲です。動画見つけたので貼ります。



「ナーナーナーヘイヤーナ、ナイヤアナーアー♪」


アナ雪2では、これをノーサルドラの人たちがエルサ一行歓迎のしるしに合唱してくれるシーンがあります。前作を観た時はうっかり聞き流してしまったんですが、2を劇場で観たら気づいたよ。ちょっとテンション上がっちゃった。これはまぎれもなくヨイクである。

ヨイクというのはサーミの人たちに代々伝わる伝統的な民謡、またその歌い方のことです。ヨイクってすごく迫力があって、スピリチュアルな神聖な感じがあって、一回聞くだけで耳に残るのよ。『サーミの血』でも何度かヨイク歌ってるからぜひ聞いてみてほしい。ちなみにこれ予告↓(布教に必死か)





私はレリゴーよりもイントゥジアンノーンよりもオープニングのヨイクのほうが断然好きだなあ。荘厳なヨイクは瞑想によさそう。あ、韻踏みました。

話が長くなりましたが結論としましては、ディズニーという世界的な企業がサーミの歴史や文化を取り上げて、それらを肯定するストーリーにしたことは本当にすごいことだよねって話です。おそらく日本のように北欧から遠く離れた土地ではサーミについて知る人も少なかったと思いますが、アナ雪が世界中でヒットしたことによって啓蒙にも一役買っている。本当に、ディズニーはあなどれん。やはり子育てには積極的に取り入れるべきか。

では最後にストーリーとは関係なく気になったところなんですけど、2ではエルサが馬に乗ったり、海を走って渡ったり、かなりアクティブに動き回るので、シアーなドレスの下に履いているレギンスのようなものがちらちら見えるのですが、これがどうにも受け入れられん。なんかバレエのチュチュと白タイツみたいな感じで、いやバレエの衣装が悪いわけじゃないんだけど、女王のドレスにはそぐわない。もっと重厚感がほしい。透け感は出す必要あった? 氷の女王なのに薄着すぎる。

それからオラフのイカれっぷりには拍車がかかり、もう誰にも止められない暴走機関車と化しています。アナ雪2はオラフを楽しむための作品と言っても過言ではない。エンドロール前の、おめかししたオラフの「しゃれてるであろう?」は吹き出してしまった。