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気晴らし細論

2020年01月の記事

いとしのエリーが存在しない世界線 『イエスタデイ』


どうも、こんにちは。

本日ご紹介する作品は普段行かない映画館で観たのですが、サービスデーだと思い込んで行ったら曜日を間違えていてきっちり定価を払うことになるという間抜けっぷりを晒しました。というわけでドケチの私が数年ぶりに定価でやむなく観た作品です。



イエスタデイ(2019)

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イギリスの小さな町に住むジャック(ヒメーシュ・パテル)は売れないシンガーソングライター。鳴かず飛ばずの状態が続くある日、世界的な規模の大停電が起き、ジャックは交通事故に遭ってしまいます。それでも前歯が折れる以外は後遺症もなく無事に目を覚ましたジャックでしたが、なんと周りは史上最も有名なバンド "ザ・ビートルズ" が存在しない世界になっていました。


退院祝いに集まってくれた友人たちの前で何の気なしにビートルズの曲を歌ったところ絶賛され「そんなのいつ作ってたのよ」なんて言われ、いやいや何とぼけてんだよビートルズの曲じゃんか、と答えるジャック。

「ビートルズって何?」「マイナーなバンドを世の中の誰もが知ってると思うのは間違いだぞ」「これだから音楽やってるやつは困るぜ」

意味不明の怪奇現象に、冗談はやめろよ…(震え声)と怯え出すジャック。確かにドッキリにしては怖すぎる。その後も友人たちの反応がガチすぎてこれは単なる悪ふざけではないと察したジャックは自宅に帰ってパソコンを開き、「The Beatles」と検索をかけます。画面に埋め尽くされるカブトムシの画像。ジーザス。試しに「Oasis」と検索すると、画面に埋め尽くされる砂漠の画像。じゃあこれならどうだ、と「The Rolling Stones」と検索する。ちゃんと出てくるバンドの宣材写真。ローリング・ストーンズは、存在する。

ビートルズと、その楽曲と、彼らに影響されてこの世に生まれたもの(例:オアシス)はどうやら存在しないらしいことにジャックは気づきます。自分以外の誰もビートルズを知らないということは、ビートルズの曲を歌えば、おれ有名になれるんじゃね? という邪心100%で曲制作に乗り出します。ジャックにとって曲制作とは、ビートルズの曲を記憶だけを頼りにコード進行も歌詞もすべてを書き出して再現する作業。ジャックは熱烈なビートルズのファンというわけではないのでほとんどの曲がうろ覚え。とにかく記憶を呼び起こす。精神統一。

そうしてビートルズの数々の名曲のおかげで天才シンガーソングライターとして瞬く間に売れっ子となったジャックは、世界中の都市を回るツアーを成功させ、地元での凱旋ライブにやってきます。楽屋には様々な人が訪れ、その中には幼馴染みのエリー(リリー・ジェームズ)もいました。

エリーはジャックがまだ売れていない時期にずっと夢を応援し続け、マネージャー兼運転手として献身的に支えてくれるよき理解者でした。しかもお互いに子供の頃から好意を持っていたものの言い出せずに長い年月が過ぎ、ジャックがメジャーデビューのためにアメリカへ渡ってから、エリーはついに自分の気持ちにけりをつけます。彼氏を作り、エリーはその彼氏と一緒に凱旋ライブに来ていたのです。

人払いをした楽屋でエリーとジャック二人きり。あまり浮かない顔で彼氏ができたと報告するエリーを、ジャックは見つめています。何してんだジャック。黙って見てるんじゃない。


いとしのエリーを、歌えぇぇぇ!!!!!!!!!!


今歌わなくてどうすんの? というか、なぜ歌わない? あれ、もしかしてビートルズが存在しない世界なら、サザンも存在しない? 真夏の果実も希望の轍もTSUNAMIも存在しない世界線? そういう感じなの?

先ほど申し上げた通り、オアシスというバンドが存在しないようにビートルズに影響を受けたバンドや歌手はもれなく存在しないとなると、日本の音楽シーンでも少なくともチューリップ、奥田民生、ユニコーン、PUFFY、斉藤和義、ミスチル、RADWIMPSなどは存在しないであろう、と『イエスタデイ』を観た多くの映画評論家が言っています。

となるとサザンオールスターズは果たしてどうなのか。生き残るか否か。私は言うてサザンあんまり詳しくないのでビートルズに影響を受けてるかどうか判断がつかないんですけれども、今現在音楽やってる人は多かれ少なかれ全員ビートルズの影響受けてるでしょ。だからたぶんサザンもいないわ。そうなんだわ。いとしのエリーもないんだわ。

と、なんかもっともらしく言いましたが、みなさんお気づきになりましたか。たとえサザンが生き残ってる世界だとしても、今のイギリスの若者がサザンを知ってんのかっていう話です。正直ちょっとエリック・クラプトンの「いとしのレイラ」と混同してしまった自分がいまして、私はそんな当たり前のことに気づくのに少々時間を要しました。

まあでもどう考えてもいとしのエリーを歌うべきシーンだったよあれは。去っていこうとするエリーを繋ぎ止めるのにこれ以上の曲はないでしょ。笑ってもっとベイベー、エリーマイラブ、ソースウィート。



最後に、誰でも言える偏差値12くらいのこと言いますけど、ビートルズってマジで偉大だなって思いました。名曲に次ぐ名曲。ビートルズのレコードもCDも持ってなくて、ほとんどテレビを通してしかビートルズの楽曲を聞いたことがない私でさえ知ってる曲がいっぱいありました。本作のラストはうまくまとまりすぎですが、子供たちが「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」を歌う光景以上にこの世で穏やかなものってある? って感じなのでそれでもう全部ちゃらです。

ネオシティポップの親戚のなにか(ディスコ系音楽について)


どうも、こんにちは。

映画は最近のも昔のもいろいろリサーチしてるのですが、音楽に関しては人一倍流行に疎い自信があります。去年流行ったらしいあいみょんもヒゲダンもマジ一曲もわかんない。かろうじてヒゲダンは友人がカラオケで「宿命」を歌ってるのを一度聞いたことがあるけどオリジナルは知らん。

ただし流行を知らんだけで、音楽に興味がないわけではありません。このブログでちょいちょい言及してるのでR&Bとかの若干ダークな感じの曲調が好きなのはバレてると思うんですが、それとはまたちょっと違った曲調で昔から好きな系統があります。でも、困っている。ジャンルが不明で人にどう説明したらいいかわからない。

クラブミュージックというか、ディスコチューンというか、勝手に体が動いてしまいそうなノリのよさがありつつ、最新の音楽というよりなんとなく懐かしい感じがあって、一度聞くとクセになる。

「その特徴は完全に巷で流行りのネオシティポップやがな」
「でもわからへんのよ。穏やかでおしゃれなバンド音楽って感じでもないらしいねん」
「ほなネオシティポップと違うか。ネオシティポップはおしゃれなカフェで流れてるもんね」

私の中のミルクボーイが困っている。

とにかく聞いてもらうのが手っ取り早いと思うので列挙するね。たぶんネオシティポップに近いところにいるのは間違いないからネオシティポップのわかりやすいところから行きます。


Suchmos - STAY TUNE(2016)




SIRUP - Do Well(2018)



みんな大好きSuchmosと、絶妙にダサいMVがクセになると評判のSIRUP「Do Well」です。2曲の共通点はホンダ・ヴェゼルのCMに使われているということ。ホンダさんはいつもお目が高い。

さて、上記の2曲から少しディスコチューンに寄ると、これ。

WONK - Loyal Man's Logic(2018)



ここまではたぶんまだネオシティポップ。
さらにディスコに行くと、これ。

Arnaud Rebotini - Premier Club(2017)

この曲は映画の記事でご紹介しましたのでよければこちらもどうぞ。→とびきりの熱気をまとった話『BPM ビート・パー・ミニット』




ここからEDMに振り切ると、こうなる。

Nyko - Elektron(2015)




では一旦ポピュラー音楽のほうに戻りまして、根明パリピテイストに行くとブルーノ・マーズになる。

Bruno Mars - Treasure(2013)



Bruno Mars - 24K Magic(2016)

このパリピテイストの究極形態。2ヶ月くらい前にクラブというものに人生で初めて行ってきたんですけれども、これが流れた時はやっぱり盛り上がってた。




結局なにが言いたいかというと、こういう曲をアイドルが歌ってるのが好き。

INFINITE - Hysterie(2011)




NCT127 - Good Thing(2017)




SixTONES - Night Train(2018)



自分で言うのもおかしいけど、INFINITEの「Hysterie」って結構マニアックだと思うんだ。KPOPの中では珍しい曲調じゃないでしょうか。そしてNCTの「Good Thing」は同じ系統でもやっぱりちょっと垢抜けてるのよね。比較対象が芋時代のピニだしな。 ていうかNCTはネオカルチャーテクノロジーの略だから、ネオシティポップと親戚なのは間違いないんだって。

まもなくデビューするSixTONESはデビュー曲の「Imitation Rain」がYOSHIKI作曲で話題だし、Jr.時代に異例のMVが作成された「JAPONICA STYLE」もよく知られてると思うけど、私はダントツで「Night Train」が好きだ。音源が出てないので、そのうちアルバムとかに収録してほしい。



大体の雰囲気は掴んでいただけたでしょうか。この曲調に正式なジャンル名があるならば、ぜひご教授願います。ないなら命名しよう。ネオディスコポップ、ネオレトロポップ、クラブポップ、どれがいいかな。何でもいいから名前がほしい。みんなに広めたい。

チキン片手にハッピーフライドチキン映画 『エクストリーム・ジョブ』


どうも、こんにちは。

2020年劇場鑑賞一作目、こちらの作品を観てきました。



エクストリーム・ジョブ(2018)

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実績を上げられず解散危機に追い込まれた麻薬捜査班の5人は、ある犯罪組織のアジトの向かいにあるフライドチキン屋を買取り、偽装営業しながら張り込みをすることに。ところが一風変わった味付けが評判となり、ひっきりなしに客の訪れる大繁盛店となってしまいます。


あらすじだけでおわかりかと思いますが、くだらないコメディです。「昼はチキン店 夜は潜入捜査官」といううたい文句ですが、捜査してません。チキン屋の営業に勤しみすぎて、捜査放棄してます。

しかし何も考えずに楽しめる映画こそが真の映画じゃないですか。そして本作は韓国映画です。韓国映画でおもしろいコメディって珍しいと思うんだ。韓国といえばやっぱりノワールだし、申し訳ないけど正直言って韓国のお笑いってちょっと寒い。日本のボケとツッコミのような芸は韓国には根付いてないので、バラエティ番組とかもあんまりおもしろくない。だから本作も笑いの構造は基本的に単純で、展開もほぼ読めます。でも逆にその期待してる通りのものが出てくるおもしろさがある。系統としてはジャッキー・チェンのような、あるいはドリフのような予定調和の笑いなんだけど、そこまで大げさじゃなくてつい失笑してしまう感じです。実際シアター内は終始そこかしこでくすくすしてて、韓国映画でこのハッピーな感じは今までにないぞ!と私はすごく楽しかったです。

で、本作の裏主人公と言っても過言ではないのがこの人。

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麻薬捜査班のメンバーのマ刑事。普段はポンコツなんだけど料理の才能があって、実家の焼肉屋のタレの味を再現して絶品チキンを生み出してしまった張本人。ちょっとネタバレ失礼しますが、アホで全く使えない奴かと思いきや「俺は中国系だから」とか言って中国語話せるし、元柔道韓国代表選手でくそ強い。キャラクターのくせが強すぎて、ほとんどこの人が全部持っていってる。ていうかこの前髪な。あのね、韓国って、こういう前髪喪失してるヘアスタイルをよく見るので慣れてるつもりだったんですけど、改めて思った。なんなん。このマ刑事役のチン・ソンギュさんは絶対どこかで見てると思うんだけど何の作品に出てたか思い出せない。前髪のせいで。

ネタバレ失礼ついでにもうちょっと言いますが(※これから観る予定の人は読み飛ばしてください↓)

麻薬捜査班の5人はみんな腕っ節が強くて、要するにみんなしぶとくて簡単に死なないだろうってことで集められたということが最後に判明するんですが、まず先に申し上げた通りマ刑事は元柔道韓国代表、それから海軍特殊部隊出身がいて、元ムエタイチャンピオンがいて、過去12回刺されて死んでない実績のある不死身が班長で、ときて最後の一人が野球部。そうそうたる肩書きの面々が並ぶ中、班で一番下っ端のジェホンくんはただの野球部出身。韓国の部活動は我慢強さが身につくからな、とかもっともらしく言ってるんですけど、エピソード薄っす。もっと何かないのか。せめて練習が過酷なことで有名な強豪校の出身で、くらい付け足してくれ。



さて話変わりまして、本作を観ると絶対にフライドチキンが食べたくなります。言い切ります。絶対にフライドチキンの口になります。でも困ったことに韓国のフライドチキンは日本のと全然違うんですよ。日本でフライドチキンと言ったらやっぱりケンタッキーだと思うんですが、ケンタッキーのプレーンのチキンって、衣がやわらかくて、でかい。食べ応えがある。一方でまず韓国はフライドチキン屋がめちゃくちゃいっぱいあります。味はまあ店にもよるんですけど、基本的に衣はカリカリで、サイズは小さめで、スナック感覚で食べられます。

つまり何が言いたいかと言うと、今おれが食べたいのはケンタッキーのフライドチキンじゃないんだ。唐揚げでもないし、チキン南蛮でもない。ヤンニョムチキンよ。映画のお供にポップコーンじゃなくてチキンというのはありだと思う。チキンを食べながら映画を観る時代がもうそこまで来てる。そうだろう。(突然のぺこぱ)



最後に。悪役の俳優さん(シン・ハギュン)がどうしてもエスパー伊東にしか見えなかった。

2020年 新年のごあいさつ


あけましておめでとうございます。

2019年暮れのごあいさつをしないままに年を越してしまいましたが、今年2020年は東京オリンピックが開催されるということで、映画やドラマだけでなくスポーツ観戦も大好きな私としては夏が来るのが非常に楽しみです。ちなみにバスケとサッカーだけは何としても現地で観戦したいんですけど自分で申し込んだチケットは見事にすべて外れ散らかしたのでどなたか連れて行ってください(他力本願)。

映画についてはただひとつだけ言っておきます。『るろうに剣心』最終章となる二部作の公開が待ち遠しい。だって追憶編だもん。佐藤健×着流し×ポニーテールは最強だって言ってるじゃん。

今年もよろしくお願いします。

2020年1月5日 せみ