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気晴らし細論

2018年07月の記事

トリプルエイチ、もといエモエモエイチ万歳 『RETRO FUTURE』


どうも、こんにちは。

先日、Triple Hが帰ってくるよ! という話をしました(過去記事参照→「Triple Hが帰ってくる」)。

ええ、帰ってきました。帰ってきましたとも。

やっぱり期待を裏切らなかったし、なんならその上を行ったと言ってもいい。そんなわけで、本日はこの熱が冷めぬうちに再びTriple Hについて言及したいと思います。映像多いです。

まずTriple Hとはなんぞや、というところをおさらいしておきましょう。

Triple H(トリプルエイチ)というのは、元4minuteのメンバーであり、現在はソロで活動するヒョナと、PENTAGONのフイイドンの3名によるKPOPユニットです。彼らは同じ事務所(CUBEエンターテインメント)に所属する先輩後輩で、2017年5月に結成・1stミニアルバム『199X』をリリースしました。

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(左からイドン、ヒョナ、フイ)
一言で言うと、「エモい」を体現するユニット。


そんなトリプルエイチ、前作から約1年2ヶ月の時を経て、今月18日に2ndミニアルバム『REtro Futurism』をリリースしました。

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収録曲
01. Feeling
02. RETRO FUTURE
03. Show ME
04. RETRO FUTURE (Inst.)


今回の活動におけるメインの曲は『RETRO FUTURE』です。早速MVをご覧くださいませ。↓




もう、エモエモエイチと呼ぼうではありませんか。
(私はこの呼び名を広めていきたいと思っています)

そもそもなぜトリプルエイチなのかという点ですが、これは非常に簡単な話で、全員の名前のイニシャルがHだからです。ヒョナ、フイ(本名はフェテク)はわかりやすいですね。加えてイドンくんも実は本名がヒョジョンで、やはりイニシャルがHなのです。ちなみにイドンという芸名の由来は、本名のヒョジョンを漢字表記した時に「暁」という字が入るので、夜明けを意味する「dawn」に「東 = east」をつけて「E'dawn」らしいです。

どこまでエモいんじゃ。

さて、『RETRO FUTURE』について語る上で、前作『365 FRESH』との比較を避けては通れません。そちらのMVも貼っておきましょう。




車に始まり車で終わるところは、前作から繋がっていると言えそうです。運転席にフイ、助手席にヒョナ、後部座席にイドンという並びも同じ。一方で全体の作りに注目すると、ショートフィルム仕立てだった前作『365 FRESH』とは異なり、『RETRO FUTURE』はストーリー性が薄まりました。代わりに歌詞の内容と映像に関連性が見受けられます。

曲の第一印象としては、はっきり言って、前と似てね?と思いました。

でも冷静になって考えてみると、もしかして『365 FRESH』はメジャーコードで、『RETRO FUTURE』はマイナーコードか? という気がしてきました。当方、あまり音楽に詳しくないので不確かなのですけれども、よく似た曲構成の中にあって、前者は明るい感じ、後者は少しダークな感じがあります。

そのことに気づいてしまったら、最初こそ、似とるやん、と思ったくせに、一転して、この微妙にちょっとズレた感じ、たまらなくない? と思うようになってしまいました。自分ちょろすぎる。レトロな雰囲気の中にこそ新鮮なものがあるというコンセプトの通り、ファミコン時代のゲームの効果音みたいなものも入ってて、聞けば聞くほどクセになる(こういうのを俗にスルメ曲というらしい)。

また、前回の記事でも申し上げましたが、TripleH、特にヒョナは、ステージの上では毎回新しい姿を見せるというモットーを持っています。そのためにどんどん振付をアレンジして、自分自身も楽しそうにパフォーマンスするので、見ているほうも本当に楽しい。


エモエモエイチは衣装の当たり外れが結構激しいので、↑これは結構まともなほうのやつです。ヒョナの衣装なんかめちゃめちゃ似合ってていいよね。

あとね、曲とは関係ないんですけれども、これ見て。スタッフとの中打ち上げ?か何かの様子です。


どうしても言わせていただきたいことがあります。イドンが謎の白いメガネをかけているのも気になるところではありますが、とりあえずスルーしましょう。みなさん、わかりますか? みんなしてモヒート飲んでるの。

いいですか、モヒートですよ。
某EXILE TRIBEさん(某の意味)の公式ドリンクがレモンサワーということは有名ですが、エモエモエイチさんたちはモヒートです。おしゃれが敵わない。

それから画面右に映る方、フイくん、以前ラジオで「お酒飲めない」発言をしていました。ところがどうだ。乾杯の直後、ラムを足してますやん。お酒弱い人はモヒート飲まないし、「これ薄くね?」っつってラムを足したりもしません。あまつさえ、最後のほうではヒョナパイセンから渡された焼酎をぐいっと行ってます。

韓国の成人一人当たりの飲酒量は世界トップクラスといいますので(蒸留酒に関しては世界一だった年もあるほど)、「飲めない」の基準が日本とはちょっと違うのかもしれない。余談ですが、韓国に留学している私の友人は、韓国社会の酒の飲み方を目の当たりにして「あいつらおかしい」と言ってました。←


(2018.12.18追記)
改めてこの映像見てみたら、もしかしてフイくん、モヒートぐっと飲んだ後、今日は家帰れないわ〜的なこと言ってますかね? スタッフがおお〜って言ってるのも、フイくんがお酒弱いのに勢いよく飲んだことに対する歓声でしょうか? 会話がよく聞き取れないのでわからないけどなんかそんな気がしてきた。女性スタッフが「フイのお願い聞いてあげなきゃ」と言い、フイが「家に送ってください」と答えている。自力では家に帰れないから送ってくれって話か。なるほど。理解した。



さて、ここまでエモエモエイチさんについて語り散らかしてきましたが、私には少し懸念があります。エモエモエイチは今後も定期的にユニット活動をしていくのかどうか、という点。

3人の仲が良すぎるあまり、つまりヒョナがフイドン(フイ&イドン)と親密すぎてスキンシップが多いので、フイドンのファンがかなりナーバスになってしまってるらしいのです。個人的には、単純に先輩後輩として、あるいは同じユニットで活動する同僚としての仲の良さの範囲に留まっていると思うのですが、やっぱりアイドルなのでね。ファンの女の子たちは、彼らが女性と親しげにしているのは(それがいくら事務所の先輩であっても)嫌なのでしょう。

おまけにフイくんは新鋭の音楽プロデューサーとしても活躍していて、近頃は多忙を極めているようです。フイくんのファンからしたら、ヒョナと絡ませるより休ませてあげて!という心理が働くのも無理はないのかもしれない。

爆発的に人気があればもちろんユニット活動はコンスタントにやっていくでしょうけれども、果たしてニーズはどれくらいあるのかが問題ですね。私はエモエモエイチが大好きなので、願わくば年1ペース、2年に1回ペースでもいいから活動してくれたら嬉しい限りです。


何はともあれ、『REtro Futurism』の活動は、現在も絶賛継続中です。今しばらくは楽しませてくれそう。楽しまなきゃ損。

穏やかな口調でありながら穏やかならざるハウルのセリフ 『ハウルの動く城』


どうも、こんにちは。

日本の夏の風物詩『となりのトトロ』の再放送が8月17日に予定されています。しかし、本日お話しますのはトトロではなく、その前週、8月10日の金曜ロードショーで放送される『ハウルの動く城』です!



ハウルの動く城(2004)

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帽子屋で働く18歳のソフィーは、ある日、荒地の魔女の呪いで90歳の老婆の姿に変えられてしまいます。帽子屋に居られなくなり、町を出て荒地を歩いていると、目の前に突然大きな城が現れます。歩き疲れ、ひと休みがてら恐る恐る城に入ったソフィーは、その不思議な城を気に入り、勝手に掃除婦になるとハウルに宣言して城に住み始めます。

ハウルの声をキムタクこと木村拓哉が演じましたが、これが本当に成功してますね。すごくよかった。すごくよかったのに、あまり他で声優の仕事をしていないので、さらにプレミア感が増してる気がします。

では具体的に何がよかったか。ハウルは「美女の心臓を食べる」とまことしやかに噂されるような美青年の魔法使いです。穏やかな口調、立ち振る舞いなのですが、発言そのものに注目してみると、実は結構、作品を通して「〜しろ」「〜してくれ」のような命令形、不躾な物言い、上から目線が多い。

例えば、王室付き魔法使いのサリマン(ハウルの師匠でもある)から呼び出され、しかしサリマンに会いたくないハウルは、代わりにソフィーに母親のふりをして行ってくれと頼みます。ソフィーは気乗りしないながらも、ハウルの頼みを聞き入れてサリマンのところへ向かうことになります。問題はこの後。ハウルがソフィーを送り出す時の一言、みなさんご存知でしょうか。


「さあ! 行きたまえ!」


行きたまえじゃねえよ。お前の頼みで仕方なく行くんだよ。

言い方や態度によっては「は?」とキレてしまいそうですが、ハウルには不思議と腹が立たないので、これはキムタクの功績でしょう。聞くたびにエエ声やなと思いますし。ちなみに個人的には、カルシファー(ハウルの城を動かしている火の悪魔)がぐったりして魔力が弱まっている時、少しイラついたように「しっかりしろ」と言うところが一番好きです。←


さて、このハウルの声は、英語版でもある有名な俳優が担当しています。それは『バットマンシリーズ』の主演であり、肉体改造芸人で有名な、あのクリスチャン・ベイル。しかしね、これはちょっといただけない。いかんせん低すぎる。

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ご覧の通り、ハウルって甘い顔してるじゃないですか。この顔からバットマンのドスの効いた声が出てくるのはさすがに事故だと思う。もうちょっとなんとかならなかった?

そこで、私はデイン・デハーンのハウルとか最高だなと妄想するのです。彼は2004年当時はまだ芸能活動してなかったので、そもそも無理な話ではあるんですけれども(彼の声の魅力はこちらで少々言及しました→「デハーンがチャラ男役だョ! 全員集合 『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』」)。

だってデハーンが「美しくなかったら生きていたって仕方がない」って言ってるの、聞きたくないですか?

※ソフィーが風呂場の棚を掃除したことによってまじないがめちゃくちゃになり、その後シャワーを浴びたハウルの髪色が金から黒に変わってしまいます。これに相当なショックを受けたハウルが漏らすセリフ。

日本語版:もう終わりだ。美しくなかったら生きていたって仕方がない。
英語版:I give up. I see no point in living if I can’t be beautiful.



それから英語版との比較という点で言うと、ソフィーの声はオリジナルの日本語版は倍賞千恵子がすべて一人で務めているのに対して、英語を含む他言語の吹き替えでは、少女時と老婆時の声優を分け、二人一役でやっています。賠償さんは当時63歳だったそうですが、声色の使い分けがすばらしくて、うまく行っていると思います。



ハウルの動く城、ラストシーンではハウルの空飛ぶ城にバージョンアップしてるのもおもしろいよね。

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8月10日が楽しみだ(日テレの回し者ではありません)。

現代日本社会における痛い女と痛い男 『勝手にふるえてろ』『伊藤くん A to E』


どうも、こんにちは。

表題の通り、最近、痛い女と痛い男にフィーチャーした邦画を立て続けに観ましたので、ここでお話したいと思います。いずれも主役の演技がすごく光ってました。


勝手にふるえてろ(2017)

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恋愛経験のないOLのヨシカ(松岡茉優)は、会社の同期の霧島(渡辺大知)に突然告白されたことに浮かれるも、中学時代の同級生「イチ」(北村匠海)への片思いを未だにくすぶらせており、そのため告白してきた霧島を「ニ」と呼ぶ始末。ヨシカは「ニ」への返事を先延ばしにし、同窓会を計画して「イチ」と再会を果たします。

レビューを見ていると「痛いなあと思いつつ、ヨシカに共感してしまった」という女性の意見がかなり多く見受けられました。

みんなそんなに痛い女なの?

ヨシカのイカレっぷりはすごいですよ。コミュニケーション能力のない消極的な性格かと思いきや、「イチ」へ執念で同窓会を計画するあたりはありえないくらい行動的だし、全体的によくわからない。私が特にやばいなと思ったのは、会社の経理課の同僚・月島来留美の親切を、ことごとく悪意のあるものと認識してキレるところ。ひがみがひどくてちょっと怖いくらいです。

演出や出演者の演技次第ではくそつまらなくなる博打要素の強い作品だと思いますが、松岡茉優ちゃんを主演に据えたのが功を奏したと思います。ヨシカが痛すぎて途中観るのつらいなと思うくらいに松岡茉優ちゃん突っ走ってました。生き生きしてました。

ヨシカが勝手に人にあだ名をつけて呼ぶその絶妙なセンスや、気に入らないことに対して「ファック!」と連呼したりするところは声出して笑いました。



伊藤くん A to E(2017)

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しばらくヒット作から遠ざかっている落ち目の脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)は、自分の講演会に参加した4人の女性の話をもとに新作を書き始めます。人生や恋愛に悩む彼女たちの話には、なぜか必ず「伊藤」という名前の男が登場し、4人はその男に翻弄されていました。しかもその「伊藤」とは、矢崎が講師を務めるシナリオスクールの生徒・伊藤誠二郎(岡田将生)だったのです。

同じキャストで連続ドラマも放送されていたらしいのですが、私は存じ上げず、完全初見で映画を鑑賞しました。ポスターにも、伊藤くんは「超モンスター級の痛い男」とお触れ書きがありますので、どんな感じの痛い男なんだろう、とわくわくしていました。

いざ始まると、マジで、うわあ、やばいやつだ、と思いました。物語は、シナリオスクールで矢崎女史の講義を受ける伊藤が自分の意見を話すシーンから始まります。悦に入った感じでしゃべり続ける伊藤くん、自分の身近にいたらドン引きするレベルで気持ち悪かったです。岡田将生の顔なのが救い。

そんなわけで掴みはバッチリすぎるくらいよかったのですが、その後の展開はだらだらしていました。途中でミステリー的な雰囲気を匂わせたものの、一気に収束してしまったのはもったいなかったですね。伊藤くんのモンスター具合も、最初の印象が強烈だったので、そこがピークだった気がします。

何はともあれ、伊藤くんという地雷男を岡田将生が演じてるというのが非常に尊いです。気持ち悪い岡田将生をありがとう。それから着てるシャツが全部かわいい。第1ボタンまできっちりなのもかわいい。

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柄物に次ぐ柄物。しかし岡田将生スタイルいいな。
岡田将生は正義だ。


余談ですが、夏帆ちゃん演じるDの女・神保実希がですね、髪型から服装から何から何まで私の友人にそっくりで、ものすごく親近感が湧いてしまいました。

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ハードボイルドってこういうことだよ 『ダーティハリー』


どうも、こんにちは。

最近、昔の映画を観ようキャンペーンを勝手にやっております。父(還暦)が好きな俳優・映画について話しているのを盗み聞きし、名前が挙がった作品のひとつに『ダーティハリー』がありました。前情報は「クリント・イーストウッドがかっけー」のみで鑑賞してみました。


ダーティハリー(1971)

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サンフランシスコ市警に務めるハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、犯罪者を決して逃がさない執念深さと、そのためには手段を選ばない非情さを持ち、仲間内で「ダーティハリー」と呼ばれています。ハリーはスコーピオ(アンドリュー・ロビンソン)と名乗る凶悪殺人犯の捜査を担当することになり、犯人を追い詰めながらも、違法捜査を咎められて自身の立場を危うくしてしまいます。

こんにち御歳88歳ということですっかり白髪頭が定着したクリント・イーストウッドの、40歳頃の猛々しい姿を見ることができます。日本では山田康雄氏(ルパン三世の吹替で有名)の吹替版も根強い人気があるみたいですが、やっぱりオリジナルがいいよ。

さて、序盤で銀行強盗を捕まえる超有名シーンがあります。前述の通り、私は話のあらすじもよく知らず「クリント・イーストウッドがかっけー」という情報しか持っていなかったので、真昼の街中でマグナムをぶっ放しまくるダーティハリーを見て、そんなにガンガン撃ってたら弾なくなるじゃん…と思ってたら、まさかでした。

こちらがそのシーン。↓



以下、1:45〜のセリフです。
I know what you're thinking.
Did he fire six shots or only five?
Well, to tell you the truth, in all this excitement I've kind of lost track myself.
But since this is a .44 magnum, the most powerful handgun in the world, and would blow your head clean off.
You've got to ask yourself one question: "Do I feel lucky?"
Well, do ya, punk?

お前の考えはわかってる。
俺がもう6発撃ったか、それともまだ5発か。
実は俺も数えてないんだ。
だがこれは44マグナムって言って世界一強力な拳銃でな、お前の頭なんかきれいに吹っ飛ぶぞ。
運試ししてみるか、どうだ?


声かっこいい、しゃべり方かっこいい、表情もかっこいい、言うことないぞ、クリント・イーストウッド。特に「punk?」の後のニヤリ顔は渋すぎるよ。しびれるよ。血糊がペンキかってくらい不自然なのは正直気になる。

ではここで細かすぎて伝わらないことを重々承知の上で、上記の一連のシーンのセリフで個人的に好きなところを発表します。

①「six shots or only five?」のshotsとorの間の一拍の溜めと、fiveのvが無声音気味でfに近い音になってるところ
②「lost truck myself.」のmyのmにアクセントがついてるところ
③「blow your head clean off.」のcleanの頭「cl」の発音

わたくしが言語学オタクと自称しているゆえんがおわかりいただけると思います。無声音とか言われても、という声が聞こえる気がします。③の「cl」の発音とかめちゃくちゃ好きなんですけど、うまく伝える術がないのが非常に残念です。

この一連のシーン、私はまず日本語字幕で内容を把握して、次に英語字幕に切り替えてセリフを確認して、それから声だけ集中して聞いて、今度はクリント・イーストウッドの表情を見て、というようなことをやってたので、軽く10回くらい巻き戻してて、全然先に進めないの。たぶんここだけ20分くらいかけて観てたんじゃないかと思います。確か、まだ開始12分くらいのところ。

有名なシーンだと知らずに観ていてこれだけ惹きつけられるなんて、やっぱり魅力がある証拠と言えるでしょう。銀行強盗を捕まえるところなので、話の本筋とは関係ないんですけど、ちゃんとクライマックスへの布石になっているのもまた粋。

ところで、字幕って文字数が限られているので、どうしても情報が端折らざるをえないものなのですが、『ダーティハリー』の字幕は "44マグナム" が "特製の大型拳銃" となってたりして、字幕がくそださいとか言われているらしいのです。その点、吹替版はほぼ英語のセリフに近い表現になっていてクールなのも人気の要因かもしれません。

しかし、ハリーと警察の人間の会話の中で "your wife" が "細君"と訳されてたのは非常にぐっときました。気が利いてるじゃないか。

サリー・ホーキンスは若干幸薄め


どうも、こんにちは。

本日はこの方、サリー・ホーキンスについて取り上げます。

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1976年生まれ42歳(2018年7月現在)のイギリス人女優です。小柄で華奢な体型と大きめの口がポイント。何考えてるかわからない毒婦役の多いルーニー・マーラの、ちょうど真逆を行くのがサリー・ホーキンス。儚げな、幸薄そうな役が多い気がします。二人とも華奢で体格はよく似ているのに。(よろしければこちらもどうぞ。→「ルーニー・マーラに潜む狂気性について」

それでは、サリー・ホーキンスの幸薄フィルモグラフィを覗いてみましょう。


シェイプ・オブ・ウォーター(2017)

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第90回アカデミー賞作品賞を受賞した本作で主人公イライザを演じたのは記憶に新しいところです。物語はハッピーエンドと捉えて問題ないと思いますが、恋のお相手は半魚人、そして夜間の清掃パートをしている口のきけない独身中年女性というユニークな役どころ。

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イライザは普段は明るく、おっとりしていて、セクシーさはあまりないタイプの女性です。しかし、バスルームで半魚人と抱き合っているのをアパートの隣人(友人でもある)に目撃された時の表情はすごかったです。満ち足りているというか、さらにそれを見せつけているというか、「うわぁ、女だ」と思いました。サリー・ホーキンスすごい。

作品としては、おとぎ話のような幻想的な演出や、ノスタルジックな雰囲気(舞台は米ソ冷戦時代のアメリカですが、まるで架空の世界のよう)がすばらしかったです。イライザの仕事の関係で劇中ほぼずっと夜なのも雰囲気がよかった要因だと思います。ただ、劇中のキャラクターたちが半魚人のことを美しい美しいと評するわりに、動きがどうにもおもちゃっぽくてですね、もう少し重みのある優雅な身のこなしをしてくれたら違ったんじゃないかなと。それだけが残念でした。



僕と世界の方程式(2014)

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この作品では、自閉症だけれども数学に関しては抜群の才能がある少年ネイサンの母親役です。夫を早くに亡くし、一人でネイサンを育てているからか、常にどこか不安げな表情をしています。人とのコミュニケーションに難のある息子のことを常に心配し、また自分自身も息子との距離のはかり方に四苦八苦している。

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序盤は、このお母さん大丈夫かな、という感じなのですが、徐々にたくましさが見えるようになってきて、最後にはものすごく頼もしくて良い母親に見えました。ネイサン役のエイサ・バターフィールドの繊細な演技もめちゃくちゃよかった。きれいごとばかりではないし、大変なこともたくさんあるけど、愛があふれてると感じる映画です。



17歳の肖像(2009)

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こちらでは、高校生の主人公をたぶらかす男の本妻。つまり浮気されてる女性の役。とは言っても、浮気されてることは承知の上なので、仮面夫婦といった感じでしょうか。登場するのはほんのワンシーンだけなのですが、サリー・ホーキンスが出てきた瞬間、「あっ、あなたが奥様ね〜」となりました。

作品に関しては、以前記事にしましたので、こちらをご覧くださいませ。→「少女よ、教養を身につけろ 『17歳の肖像』」



他にもウディ・アレン監督作の『ブルージャスミン』(2013)では、玉の輿によって手に入れた裕福な暮らしから一転、借金まみれとなった主人公ジャスミン(ケイト・ブランシェット)の妹ジンジャーを演じ、各映画賞の助演女優賞にノミネートされるなど話題を呼びました。ブロンドのド派手な姉に対し、ブルネットの庶民的な妹。サリー・ホーキンスでなくちゃという対照的な役。ちなみに、本作でジャスミンが知り合う外交官の男ドワイトは、『17歳の肖像』でサリー・ホーキンスの夫役だったピーター・サースガードだからおもしろいよね。



そして、私が今か今かとDVD化を心待ちにしているのが『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(2016)です。カナダの実在の画家モード・ルイスをサリー・ホーキンスが演じているのですが、その夫役がイーサン・ホークとのことなので、そんなの無条件に観るに決まってますやん。

しあわせの絵の具

Triple Hが帰ってくる


どうも、こんばんは。

Triple Hが帰ってくる。7/18に帰ってくる。

Triple H(トリプルエイチ)というのは、元4minuteのメンバーであり、現在はソロで活動するヒョナと、PENTAGONのフイイドンの3名によるKPOPユニットです。彼らは同じ事務所に所属する先輩後輩ですが、年齢的にはヒョナが1992年生まれ、フイが1993年生まれ、イドンが1994年生まれと同年代です。

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(左からイドン、ヒョナ、フイ)

Triple H、グーグル上ではなぜか【トリプル・ハ】と出てくる(『フランシス・ハ』みたい)。

さて、Triple Hは2017年5月に結成・1stミニアルバム『199X』をリリースしました。そして今月18日には2ndミニアルバム『REtro Futurism』がリリースされます。1年2ヶ月ぶりの活動です。Triple Hというユニットは神企画だと私は思っているので(大真面目)とってもうれしい。というわけで、彼らを持つ間に前回の活動を振り返ってみようという話です。


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『199X』収録曲
01. 바라기(Sunflower)
02. 365 FRESH
03. 꿈이야 생시야(What's going on?)
04. GIRL GIRL GIRL
05. 365 FRESH (Inst.)


では最初に、タイトル曲(活動のメインとなる曲)『365 FRESH』のMVがこちら。



まず曲についてですけれども、
絶対にブルーノ・マーズの影響受けてるよね。

『24K Magic』『Treasure』などのエッセンスが取り込まれている気がするのは、きっと私だけではないでしょう。ブルーノ・マーズの楽曲の隅々に行き渡っている底抜けの明るさはありませんが、代わりにエモさがドバッとトッピングされてると言いますか、アンニュイ感がね、すごいよね。アルバムにはこの曲のインストも入っていて、それもまた美味しいです。製作陣、本当にどうもありがとう。

そしてアンニュイ感にさらに拍車をかけるMVは、ショートフィルムと言っても通用するくらい完成度の高い仕上がりです。KPOP好き界隈では、映画『ドリーマーズ』(2003)や、『テルマ&ルイーズ』(1991)っぽい、という感想も散見されます。個人的には『ドリーマーズ』よりも気持ち悪さが薄くて、もっとポップな世界観になってると思います(『ドリーマーズ』はあんまり好きじゃないので悪しからず。『テルマ&ルイーズ』は未鑑賞)。

男2人、女1人の三角関係ということで、『まじめに愛して』(1974)とか『途方に暮れる三人の夜』(1987)も近いのかなと思いました(余談ですが、私はこの2作品をずっと観たいと思ってるのにマイナーすぎてレンタルショップになくて悲しいんですけど何とかなりませんかね)。



KPOPは、楽曲はもちろん、MV、パフォーマンス、衣装、ヘアメイク、様々な要素で楽しむことができるのが魅力だと私は思っています。たった1曲で何度もおいしくいただける。もちろん『365 FRESH』にも同じことが言えます。Triple Hは見ていて聴いていて楽しいパフォーマンスをしてくれます。それを裏付けるシーンが「週間アイドル」というバラエティ番組の定番コーナー〈ランダムプレイダンス〉で垣間見れました。

〈ランダムプレイダンス〉は、無作為に流れる自分たちの曲に合わせて振り付けを間違えずに踊れたらご褒美がもらえるというもの(Triple Hはユニットとしての楽曲が少ないので、ヒョナの曲やPENTAGONの曲も使われました)。ここでヒョナが芸歴10年以上のプロの技を見せます。MCに振付間違いの疑いをかけられてもなんのその。ことあるごとに言い逃れる。


「この部分は私のパートじゃないので振付がないんです」
「私の曲なんだから私が一番詳しいに決まってる」
「振付はパフォーマンスする人の気持ち次第」
「ステージの上では(たとえ同じ曲でも)毎回新しいことをやるんです。振付もアレンジします」

たまらず「それじゃコーナーの意義がないよ!」「アレンジなしでオリジナルバージョンでやって!」と呆れるMC(そうだよね)に、イドンが「この人(ヒョナ)は口が達者なんで、どうやっても勝てません」と言ってスタジオを和ませる。

そして厳しい監視の目を向けられることになったヒョナがついに間違え、MCに買収された(間違いを指摘したらフライドチキンをおごってもらえる)イドンが証言。

イドン:今のはマジで間違えてました。
ヒョナ:どこが間違ってた?
イドン:どこって言うか、ただ100%間違ってた。
ヒョナ:もともとの振付知ってるの?
イドン:知らん。
一同:(爆笑)

若干の往生際の悪さも見えますが(笑)、ステージでは毎回新しいフレッシュな姿を見せるんだと言ったヒョナにプロ意識の高さを感じました。振付も頻繁にアレンジしてて、オリジナルバージョンとかいう概念がそもそも薄いんでしょう。実際『365 FRESH』のヒョナのステージパフォーマンスは毎回ちょっとずつ違います。





えー、ここまでフイの名前がほとんど出てませんし、MVでも残念な役回りですけれども、ご安心ください。ヒョナとイドンは旧知の仲らしく距離も近そうですが、舞台裏の映像とかを観ると、どちらかというとヒョナとフイのほうが結構おやおや?という空気醸してます。


サスペンススリラーでしょうか、いいえどちらでも 『アメリカン・サイコ』


どうも、こんばんは。

本日は、肉体改造芸人クリスチャン・ベイルがシリアルキラーを演じた作品を取り上げます。原作小説が物議を醸した問題作だったこともあってか、映画もあまり評価されていないらしいのですが、個人的には超おもしろかったです。


アメリカン・サイコ(2000)

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ニューヨーク・ウォール街にある投資会社P&Pに勤務するパトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベイル)は、高層ビルに居を構え、高級ブランドのスーツに身を包み、毎晩予約いっぱいのレストランで食事をし、さらには婚約者がいるという誰もが羨む生活をしています。そんな超エリートの彼は、夜毎、激しい衝動にさいなまれ、殺人を繰り返していました。

真面目なサスペンス作品だと思うじゃないですか? あなどるなかれ。ギャグセンスの非常に高い娯楽作品でありながら、社会風刺が抜群に効いた一粒で二度美味しい作品です。殺しのシーンが毎回ギャグ的で笑えて、そんなに雑なのになぜバレない?っていうところを、あまりにもブラックなオチでちゃんと締めてくれました。クリスチャン・ベイルの怪演、最高です。



さて『アメリカン・サイコ』といえば、巷でも有名なあのバトルシーンの話は避けて通れないでしょう。ええ、名刺マウンティングでございます。

ご存知ない方のために少々説明させていただくと、会社の同僚たちと文字のフォントや使用する紙で個性を出した名刺を見せ合い、「いいね」「ナイスだね」と言いつつ探り合いをするというもの。ジャレッド・レト演じる同僚ポール・アレンの名刺を目にしたパトリックは、衝撃を受けます。

パトリック心の声「高級感あふれる厚み…すごい…透かし模様入り…(手がぷるぷるしてる)」
同僚「どうした? パトリック、汗かいてるぞ」

なんだこれ???

あまりにも真面目な顔で名刺を品評しあっているので、こちらもそのテンションに飲み込まれてしばらく真面目に観ていましたが、なんのことはない、くそしょうもない会話。鬼気迫る表情で「I can't believe…!」「Oh my god…!」と言ってるクリスチャン・ベイルは必笑です。


しかしながら、このマウンティングシーンに2つの疑問があります。


疑問その①
ウィキペディアをはじめ、解説やレビューを載せている多くのブログで、主人公パトリックはP&Pの副社長であると書かれています。副社長と同僚が名刺マウンティング、するだろうか? いや、しない(反語)。

アメリカンサイコ

名刺の中央、パトリック・ベイトマンという氏名の下に「Vice President(ヴァイスプレジデント)」と書かれています。これを直訳すると副社長ですが、おそらくこれが間違った解釈の原因だろうと思われます。何を隠そう、マウンティングを繰り広げているポール、ティモシー、デイヴィッド、みんな氏名の下に「Vice President」と記載されています。

副社長がそんなに大勢いるわけないよね。

というわけで、わたくし調べました。

ヴァイスプレジデントというのは、外資系企業で使われる役職名の一つです。業種や業界、企業によってもそのクラスは様々で一概には言えないようなのですが、本作の舞台である金融業界では、課長あるいは課長補佐くらいのポジションを指すようです。

余談ですけれども、近年は邦銀でもヴァイスプレジデントなる肩書きを導入し始めており、しかし前述したように、そのクラスや権限は企業によってもまちまちで大変ややこしく、正確な把握が困難なため、”できれば使ってほしくない役職名”などと不名誉なことを言われているようです。

本題に戻ります。パトリックは27歳の設定ですので、課長補佐と考えると、出世コースまっしぐらの超エリートというのは間違いないと言えるでしょう。


疑問その②
名刺って、個人の自由でフォントとかいじれるものだろうか?

パトリックらの勤務するP&Pの名刺は、レイアウトは決められているものの、文字のフォント、紙、さらには色までも社員それぞれの好みで選んでいます。名刺は基本的に会社によってフォーマットが決められてるものだと思うんですけれども、どうなんでしょうか。少なくとも私が以前勤めてた会社では完璧に決められていました。

ちなみにパトリックの名刺は「大したことない」と一刀両断され、あまり芳しい評価を得られません。パトリックは爪を噛んで悔しがります。そしてポールの名刺のセンスのよさに一同脱帽するわけなのですが、私もポールの名刺が一番いいなと思いました。みなさんも本編をご覧の上、ご判断くださいませ。



パトリックは殺人を犯す前、大抵、大好きな音楽のうんちくを語ります。こっちから尋ねてもいねえのにうるせえな、というところですが、ホイットニー・ヒューストンの『The Greatest Love Of All』の価値については、たぶん全世界のファンが納得したはず。