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気晴らし細論

2018年06月の記事

”自称千年生きた男" が性懲りもなく悪魔に弄ばれる話 『Dr.パルナサスの鏡』


どうも、こんばんは。

本日は、故ヒース・レジャーの遺作について。

『Dr.パルナサスの鏡』(2009)

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人の心の欲望を映し出す摩訶不思議な鏡を使ったサーカスで生計を立てているパルナサス博士(クリストファー・プラマー)は、過去たびたび悪魔と賭けをし、不死の命を手に入れた一方で、娘が16歳になったら悪魔に引き渡すという取決を結んでいました。娘の誕生日が迫る中、橋に吊るされた謎の男トニー(ヒース・レジャー)を助け、サーカスの一員に迎えることになります。

すごくわかりづらい話でしたが、簡単に言うと、欲深すぎる "自称千年生きた男" が性懲りもなく悪魔に弄ばれる話ということでよろしいかと思います。

どう考えてもパルナサス博士が主人公なのに、最後に「ヒース・レジャーとその仲間から皆さんへ」というクレジットが出てくるように、トニー役のヒース・レジャーがメイン扱いされています。おかげで結末もなんかよくわからなくなっていますけれども、ヒース・レジャーのモソモソしゃべりが聞けたからなんでもいいかな(過去記事参照「ヒース・レジャーはモソモソしゃべる」)。

それから、サーカス団員、というよりほとんど博士お手伝いのアントン役のアンドリュー・ガーフィールドも、アホでちょろくてかわいい。ちなみに彼は『アメイジング・スパイダーマンシリーズ』のピーター・パーカーです。『スパイダーマン』は初代と三代目がちやほやされて、二代目は世間に忘れられているきらいがありますが、二代目もおもしろいから、みんな観てくれ…。

さて、『Dr.パルナサスの鏡』の撮影中にヒース・レジャーが急逝したことによって、彼の友人であるジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が代役を務めました。突如決まった代役で、しかもそれが3人いて、どう見ても顔が全然違うのに全員同一人物ですよ、そういうテイで観てくださいねっていうのを私は想像しておりまして、あんまりそういうの好きじゃないんだよな、と思っていたんですけれども、違いました〜。

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3人の役どころは、鏡の中の世界のトニーです。鏡の中に入るとその人の欲望を映した世界が広がるので、トニーの顔や性格が人によって違うように見えるのもおかしくない。むしろ説得力があると言ってもいいくらいです。最初からこういう設定だったんじゃないのってくらいピタッとはまっていて、ストーリーうんぬんよりも製作・編集の力が見事だと思いました。

ここからは『Dr.パルナサスの鏡』から少々逸れますが、このヒース・レジャー代役の3人は揃って『ファンタスティック・ビーストシリーズ』に出てるんですよね。

まずジョニー・デップは、『ハリー・ポッターシリーズ』で言うところのヴォルデモート卿的なポジションであるゲラート・グリンデルバルド役。主人公ニュートの最大の敵なので、おそらくシリーズを通して登場することになるでしょう。

次に、コリン・ファレルは魔法保安局長官、アメリカ合衆国魔法議会魔法法執行部部長、つまり地位のあるアメリカ人の魔法使い(雑)のパーシバル・グレイブス役。一作目では上記のグリンデルバルドが彼になりすましていたということで、本物のパーシバル・グレイブスは生死不明。今後また登場するかもしれません。

そしてジュード・ロウは、若き日のダンブルドア役。ニュートもまたダンブルドアの教え子で、ハリーと同様に目をかけられていたようです。こちらも今後シリーズを通して登場するでしょう。

大注目のシリーズ二作目は今年11/23の公開ですが、そんな作品に重要な役どころで出演するような3人が代役を名乗り出たって、やっぱりヒース・レジャーってすごいんですね。叶うなら、魔法使いのヒース・レジャーも見たかったと思うのは私だけではないはず。


それから、できれば、アンドリュー・ガーフィールドもファンタビ出ないかな。

マイケル・ファスベンダーも持ってる狂気性


どうも、こんばんは。

約2週間前、「ルーニー・マーラに潜む狂気性について」というテーマの記事を書きましたが、男性でも毎回ちょっと狂気的な役をやっている人がいます。それがこの方。

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マイケル・ファスベンダーです。1977年生まれ、現在41歳(2018年6月現在)で、ドイツ出身アイルランド育ち(父がドイツ人、母がアイルランド人)の俳優です。


こう言っちゃ失礼だが、好色顔だ。


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なんかうまく説明できないけど、好色そうじゃないですか? この男前の顔立ちだからこその弊害なのでしょうが、女好きでクセのある役ばっかりやる(しかも社会的地位のある役なのがミソ)。それから映画の予告編とか見ててマイケル・ファスベンダーが出てくると、やっぱりすっげえイケメン。

女好きでクセのある役の例をいくつか挙げます。

『それでも夜は明ける』(2013)では、自分のところの奴隷を折檻しまくる農場主。一番の働き者である女性奴隷を愛人にしてたり、その女性奴隷に対してもちょっと気にくわないと激しく鞭打ちする。

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アメリカで奴隷が合法とされていた時代のこと、その時代の人々の奴隷に対する意識そのものを問題とする描き方をしているので、農場主が悪人というよりは、彼の人としての正常な精神が蝕まれているような怖さがありました。



『SHAME シェイム』(2011)では、性依存症のビジネスマンである主人公。妹、ひいては家族と過去に何かあった風。

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この作品に関しては私の見方が浅すぎるあまり、自力では物語をちゃんと理解できなくて、解説を読んでから、そういうことだったのかよ、となりました。あとストーリーと全然関係ないんですけど、ランニングしてる時の姿勢がきれいでかっこよかったです。陸上経験者なんですか?



そして『危険なメソッド』(2011)では、スイスの有名な精神科医・心理学者であるユング。

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実在の偉人だし、珍しく上品で清潔感のある役やってるじゃんと思ったら、そうは問屋が卸さなかった。精神科医なだけあって、難しい言葉を並べていろいろ偏屈なこと言ってます。フロイト役をヴィゴ・モーテンセンがやってるのもすごくいいし、ユングの患者として登場し、のちに助手兼愛人になるザビーナ役のキーラ・ナイトレイの渾身の狂人演技は一見の価値あるよ。



こうして見てきました、クセのある好色男枠代表のマイケル・ファスベンダーですが、実は、何考えてるかよくわからない女枠代表のルーニー・マーラと共演しています。それが『Song to Song』(2017)という作品です。

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日本では公開されておらず、今後も公開されるかどうか未定です。2人以外の出演者も、ナタリー・ポートマンにライアン・ゴズリングと非常に豪華で気になるところなんですけれども、監督がテレンス・マリックということでこれはちょっと危ない匂いがします。なにせ私は同監督の『聖杯たちの騎士』(2015)がくそつまらなくて寝ました。最後まで観れませんでした。

しかし、好きな人は本当にすごくハマるみたいです。テレンス・マリックは、ドキュメンタリー的というのか、セリフが少なくて、静かに進んでいくスタイルで撮る監督です。

好みが別れるテレンス・マリック作品、どうぞ一度お試しあれ。

2018 SUITワールドカップ ロシア大会


どうも、こんにちは!!!!!!

2018サッカーワールドカップが開幕したよ!!!!!!!

優勝候補が軒並み苦戦している今大会、ひょっとするとひょっとするかもと思ってたらやっぱり日本初戦勝ったよ! 忖度ジャパン、年功序列ジャパン、いろいろ言われていますが、ぜひこの勢いに乗ってがんばってほしい限りです。

さて、このように日々熱戦が繰り広げられているサッカーワールドカップ、そのれっきとした楽しみ方のひとつとして、各国代表選手の公式スーツ姿を堪能するというものがあります。

本日ここに2018 SUITワールドカップ ロシア大会の開催を宣言するわけなのですが、ここでひとつ大きな問題があります。毎大会マフィアも顔負けのキレキレの着こなしを見せてくれるイタリアが、今大会不出場という悲しすぎる事実。だって、これよ?


EURO2016
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2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会
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EURO2012
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これには勝てないでしょ。さすがイタリア男。

イタリアがいない今大会は全出場国が横一線の状況ですので、コメントしがいのある国を中心にピックアップして見ていきたいと思います。


まずは、昨夜日本と対戦したコロンビア。

コロンビア2

コロンビア

5人並んでるのビートルズみたいでかわいいね(1人多いけど)。
これぞスリーピースの正解例。スーツ効果でみんなもれなくイケメンに見える。日本も似たようなスリーピースなんですけど、なんかちょっと残念というか、似合ってないんだよな。日本はシンプルなツーピースで細めのタイにしたほうがいいんじゃないかと思います。

日本

日本3

日本2

ところで、イタリア人の長友だけくるぶし見せてますけど、一人だけパンツの丈短めなんですか?
現在トルコのガラタサライに所属する長友は、イタリアの名門インテルで長年プレーしていたので半分くらいイタリア人です("僕のアモーレ"は世間の記憶にも新しいところ)。



気を取り直して、初戦ではロシアに完敗を喫してしまったサウジアラビア。

サウジ

サウジ2

サウジ3

広告かよ。
グレーのセットアップは爽やかですよね。個人的にはかなり好きなデザインです。SUITワールドカップでは確実に上位に食い込むので、本家ワールドカップでも2戦目以降は切り替えてがんばってほしい。



お次、初戦でメッシ擁するアルゼンチンと引き分けたアイスランド。

アイスランド

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ブルーグレーのジャケット〜! 北欧の雰囲気が出てるよ! 夕日なのか朝日なのかはたまたライトなのかわからないけどオレンジの光が高貴さ演出してるよ!



続きまして、優勝候補筆頭のブラジル。

ブラジル

ブラジル3

EURO2016のイタリアを彷彿とさせるオールネイビーのスーツ、クールですねえ。ネイマール先生なんかメガネしちゃってるしキメキメじゃないですか。



同じく優勝候補で前回大会王者、FIFAランク1位でもありながら若干心配な船出をしたドイツ。

ドイツ4

ドイツ3

中、ポロシャツなのかな? タイなしでこれだけ凛々しいのすごくない? ドラクスラーの笑顔かわいいし、ロイス超キマってる。ギュンドアンごめんな。

しかしドイツの怖いところは、スウェットでも馬鹿みたいにクールなところ。

ドイツ2

ドイツ

だから広告かって。
これが王者の品格というやつなのでしょうか。日本がこの域に到達するのは何百年かかっても無理な気がする。



そしてその王者ドイツから白星をもぎ取ったメキシコ。

メキシコ2

メキシコ

ダークグリーンのネクタイとベルトのバックルがかっこいい。ジャケットの下に黒Tという着こなしもキマってる。これも個人的にはかなりナイススーツ。



お次は昨期プレミアリーグ得点王のサラーを擁する注目のエジプト。

エジプト

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なんとダブルなんですよね〜。いいよいいよ。コロンビアやブラジルもそうですが、革靴じゃなくてスニーカーを合わせてるのも、サッカー選手の体格のよさだと爽やかでアリですね。



最後は、初戦勝って順調な滑り出しをしたイングランド。

イングランド2

イングランド3

イングランド

学生じゃん。
どうがんばってもプロサッカー選手に見えない。たぶんシャツの色とタイがいけない。


えー、サッカー発祥の地、イングランド代表さんをオチに使ってしまいました。すみません。己の目の保養のためという目的もありましたが、「サッカー選手のスーツ姿って超かっこいいよ」ということを布教するために血眼になって画像を探しました。大放出できてすっきりです。なお、今大会の出場32カ国のうち、公式スーツの画像が見つからなかったチーム、そもそも公式スーツがないチームも多数あります。私が公式スーツを確認できたのは20カ国でした。


ちなみに、スーツではなく民族衣装風のお召し物でロシアに入ったアフリカ勢もなかなかかっこいいです(トレーニングウェアではなく正装ということで、このアフリカ勢も上記の20カ国に含めています)。

まずはナイジェリア。

ナイジェリア

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白の衣装って品があっていいですね。ハットもさることながら、タッセルシューズがかわいい。しかもかかとなし、たぶん裸足。ナイジェリア、いいぞ!



そして6/24に日本が対戦するセネガル。

セネガル

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セネガル3

アリウ・シセ監督がね、めっちゃかっこいい。次戦、ぜひ注目してみてください。

美青年は永遠だ【90年代キアヌ・リーヴス&盟友リヴァー・フェニックス編】


どうも、こんにちは。

映画の内容は無視し、ただただキャストの美青年に注目する浅すぎる美青年シリーズ(過去記事参照「美青年は永遠だ【洋画編】」、「美青年は永遠だ【邦画編+α】」)、久しぶりにレッツゴー。

本日注目するのは、『マトリックスシリーズ』で有名なキアヌ・リーヴスです。彼は1964年生まれ現在53歳(2018年6月現在)の日本でも知名度の高い俳優ですが、若い頃めちゃくちゃイケメンなのご存知でしょうか?

たぶん今30歳以下の人たちは、ファンでない限りマトリックス以前のキアヌなんて知らないだろうと思いますので、この機にとくとご覧あれ。どれも20年以上前の作品ということで、いい画像が全然拾えません。気になった方はぜひDVDでお確かめいただくことをおすすめします。



マイ・プライベート・アイダホ(1991)

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この作品では、実家が裕福ながら、21歳になるまでは好きにさせてくれと家を飛び出して男娼をやっている青年スコット役。主人公マイク(リヴァー・フェニックス)の相棒のようなポジションです。話自体は、個人的には正直全然おもしろいと思えなかったけど、キアヌのスタイルの良さと弾けんばかりの色気にたまげたよね。

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物語クライマックスのこのスーツ姿もかっこいいし、ライダースジャケット来てバイク乗ってるところとか、素肌にジージャンに黒いチョーカーしてるところも(着こなし意味わからないけど)かっこいい。親日の変なおじさんだとばかり思ってたから本当にたまげた。



ハートブルー(1991)

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こちらでは連続銀行強盗犯を追う新人のFBI捜査官ジョニー役です。捜査の一環で地元LAのサーファーたちに近づくために自分もサーフィン始めちゃう。そして慣れないサーフィンに苦戦してたところを助けてくれた女性(本作のヒロイン)にナンパまがいに教えを請うあたり、”今まで結構モテてきたよ感”が放たれてた。血気盛んな青臭い新人警察官って感じがすごくハマってます。

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FBIのくせに捜査が手ぬるくね? というのが若干気になるところではありますが、『ワイルド・スピードシリーズ』がこの作品をもとに作られたという話は有名ですし、映画界にも数多くのファンを抱える良作です。原題はサーフィン用語の「point break」なので、あえて邦題をつけなくてもよかったんじゃ…と正直思います。



スピード(1994)

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こちらでも警察官、SWAT隊員のジャック役です。アクション、展開、どれをとってもハラハラして飽きません。この作品が大ヒットを記録して、キアヌ・リーヴスは売れっ子になったそうです。勇敢で冷静でたくましいSWAT隊員なんて、そりゃあかっこいいに決まってる。それからサンドラ・ブロック演じる一般人でありながらバス運転手顔負けのドライビングテクニックと度胸を持つヒロインのアニー、すごくいい味出してます。

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昨日、地上波で『ズートピア』(2016)が放送されましたが、動物を凶暴化させる液体を精製している現場をジュディとニックが目撃して列車を走らせる一連の場面、『スピード』の終盤の暴走列車パートの展開にものすごく似てます。『ズートピア』はいろんな映画作品のオマージュを随所に盛り込んでいるので、あながち間違いじゃないはずです。

ところで、『ハートブルー』でも『スピード』でも、キアヌ演じる主人公は相棒刑事に「hot shot!」と言われています。「hot shot」は「有能な人」「大物」という意味で、皮肉的に言う時に使うらしいです。偉そうなことばかり言う奴を「先生」とか「先輩」とかって呼んでからかうことありますよね。たぶんそういう感じでしょう。

一昨年、大ブームを巻き起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で、ガッキーこと新垣結衣が演じたみくりは、自他共に認める「小賢しい女」とされておりました。ガッキーが小賢しい女なら、キアヌ・リーヴスは小賢しい男で、どうだ。

というわけで、私は勝手にキアヌ・リーヴスは小賢しい男を演じることが多い認定しましたが、実際のキアヌはめちゃくちゃ庶民的ないい奴エピソードが盛りだくさんなんです。注目すべきは、すべて超有名人になってからの話だということ。

例えば、
・道端の花壇に座ってコーヒー片手に友達とおしゃべり
・電車で女性に席を譲る(そもそも電車に乗ってるのがすごい)
・ホームレスと仲良くなって談笑、酒を酌み交わす
・壊れた靴をガムテープぐるぐる巻きにして履いてたことがある
・ニューヨークのとある公園のベンチでぼっち飯

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これ、ぼっち飯のパパラッチ写真なのですが、なんとこれも『ズートピア』でオマージュされてるらしいのです! キアヌがオオカミのキャラクターに変換された写真が警察署内のボードに貼られているとか。私もまだ見つけられていません。みなさんチェックしてみてください。

かっこよくて、いい奴なのに、なんか笑っちゃう(検索するとおもしろいパパラッチ写真がいろいろ出てきます)。ファンじゃなくても好きになる男、それがキアヌ・リーヴス。

ちなみに、以前「好きな芸能人は? という質問に窪塚洋介と答えると高確率で引かれる」でご紹介した『Laundry』(2001)の中でも、小雪演じるヒロインの実家の妹の部屋にキアヌ・リーヴスのポスターがあって、「かっこいいね、キアヌ・リーヴス。私も好き」というセリフがあります。どうでもいいか。





ではここから番外編。キアヌと『マイ・プライベート・アイダホ』でも共演し、親友だったというリヴァー・フェニックスの遺作をご紹介します。


ダーク・ブラッド(2012)

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この作品はキアヌ・リーヴスの『スピード』とちょうど同時期に撮られたもので、リヴァー・フェニックスはこの撮影期間中に急性薬物中毒で他界しました。彼は麻薬撲滅運動をやったりしていたので、ファンたちには激震が走ったそうです。リヴァーが麻薬をやってたなんてありえない、と。ガセに決まってる、くらいの。

彼の急死により、この作品の製作は中止されます。しかし、2012年に監督が病に倒れたのをきっかけに、自分が生きているうちになんとかこの作品を世に送り出したいということで製作が再開されます。撮影できていないシーンは監督自身のナレーションを入れ、どうにか公開にこぎつけました。

リヴァー・フェニックスが演じるボーイという役柄は、核実験により荒廃し汚染された砂漠の真ん中に一人で暮らし、世界の終焉を願っているという青年です。リヴァーが自殺だったのか事故だったのかははっきりしていませんが、ボーイの鬼気迫る雰囲気にはいろいろ勘ぐってしまうし、ギラギラしててすげえかっこいい。

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大人っぽく見えるけど、この時まだ23歳なんですよ(私個人としましては、もうすでに年下なのか、とがっくりする)。本編を観ていただければわかると思いますが、体の線が細いところに若さを感じます。長髪のことが多かったリヴァーが短髪にしてるのは貴重だし、リヴァーの作品の中では、ビジュアルに関してだけ言えば『ダーク・ブラッド』が一番だと私は思ってます。

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このシーンのセリフ、なんだか悪魔的で大好きなんですよね。

撮影が途中だったということで、重要なシーンがナレーションだけで片付けられてたりして、作品としてはやっぱり未完成と言わざるをえません。それでも最高にかっこいいリヴァーを観れるようにしてくれた監督には、絶対に足向けて寝られないよ。私は、たまに観ては「ああ、かっけーな」とひとりほくほくしています。

ルーニー・マーラに潜む狂気性について


どうも、こんにちは。

本日は、ルーニー・マーラについて取り上げます。ルーニー・マーラといえば、『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)のリスベット役を思い浮かべる方も多いと思います。

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フェイスピアスと奇抜な髪型がインパクト大の、一度見たら忘れないビジュアル。結構ハードな役回りでしたが、もともとのお顔がとても美人なので、作中でもところどころかわいい感じが出てて、完璧にやばい奴に振り切れてないのもまたかわいい。

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彼女は1985年生まれ33歳(2018年6月現在)のアメリカ人女優です。20代の頃から奥様役をよくやっているのですが、ただのかわいい奥様ではありません。

なんていうか、毒婦。普通じゃないの。ルーニー・マーラは、普通の役をやらない。例えばこちら。


サイド・エフェクト(2013)

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ルーニー・マーラは、結婚直後に金融マンの夫がインサイダー取引で逮捕され、うつ病を患った新妻役です。しかしまあ、彼女がそんなかよわい女に留まるわけがないよね、ということで、タイトルの通り、奥様に処方される抗うつ剤の副作用が彼女のみならず周囲の人々も事件に巻き込みます。



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こちらの作品では主人公の離婚調停中・別居中の妻役です。序盤は主人公の話や回想の中だけの登場で、とても愛嬌のある感じですが、中盤で実物が登場して主人公と話す場面では恐ろしかった。近寄ったら無表情で刺してきそう。見た目はこんなにかわいらしいのに。

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作中の世界では、人工知能により人格を持ってしゃべるPCのOSが開発され、主人公は妻と別居してからそのAIに恋をしました。元妻はそんな話を聞いて「あなたって寂しい人ね(嘲笑)」って感じの、くっそ興味なさげな反応してました。あからさまに馬鹿にされるほうがまだいいよね。『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベットよりもよっぽどこわかった。美人だから、普通そうに見えて実はやばいっていうほうがこわい。



ちなみに私が彼女の出演作を観たのは『キャロル』(2015)のテレーズ役が最初です。年上の女性キャロルと恋に落ちる若いデパート店員で、ルーニー・マーラ本人はテレーズを純粋だと言ってますけれども、全然そう見えなかった。初めからキャロルをロックオンしてたし、目がぎらぎらしてたし。

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すごくかわいいけど、この鋭い目つきよ。

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一応テレーズには男の恋人がいるのですが、彼に対する関心のなさは狂気じみてました。同性愛者だからと言われればそうかもしれないけど、それにしても異常だった。なんなら、別に好きじゃないから傷つけてもいい、くらいの感じだったもん。



さて、以前、強い女枠にはジュリアン・ムーアとジェシカ・チャスティンが鎮座しているという話を少々しました(過去記事参照→「ムーアさんは結構多い」)。ルーニー・マーラも強いんだけど、強さの方向性が若干違います。

何を考えてるかわからないやばい女枠では、今のところ、唯一無二な気がします。

細けえことはいいんだよ 『キリング・ミー・ソフトリー』


どうも、こんにちは。

本日ご紹介するのは、いろんな意味でおもしろいエロティックサスペンスです。B級か、下手したらC級の映画なんだけど、ツッコミながら観るのも悪くないと思います。


キリング・ミー・ソフトリー(2002)

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主人公のアリス(ヘザー・グラハム)は同棲中の恋人と満ち足りた生活を送っていますが、ある日の出勤中に有名な登山家アダム(ジョセフ・ファインズ)と出会い、彼のワイルドでどこか怪しげな魅力に惹かれます。やがて恋人と別れてアダムと付き合い始めたアリスのもとに、無言電話や奇妙な手紙が届くようになります。

前半は恋愛パート、後半はサスペンスパートという構成なのですが、この両者の出来の差が激しい。なにせサスペンスパートがものすごくお粗末です。監督は性描写に重きを置いていたみたいだし、サスペンスは苦手なんでしょうね。とにかく前半の恋愛パートはアホみたいにスピーディーでおもしろいです。

アリスは出勤時に偶然目が合った男が気になって気になって仕事に集中できず、仕事を抜け出して会いに行き(自分の勤務先の向かいの書店に彼が入っていくのを目撃したので、その書店へ)、そのままろくに会話もなく家に行ってベッドイン。もうすでにツッコミどころが多い。

「明日も来て」というアダムの誘いに、恋人がいるからと抵抗を示しつつ、翌日嬉々としてアダムのもとへ馳せ参じるアリス(またしても仕事を抜け出している)。そしてその日の夜、恋人に別れましょうと切り出して家を出、その足でアダムに会いに行き、一言。


「別れてきたわ」


えええええええええええええええ。

その後、付き合い始めて少しした頃、アリスがひったくりに襲われたところにちょうどアダムがやってきて、犯人を半殺しにした勢いでプロポーズ。二人はめでたく結婚します(は?)。

どうですか。この、細けえことはいいんだよ、と言わんばかりの潔さ。FUJIYAMAもびっくりのジェットコースター的ド級の展開。しかも毎度ご丁寧にサービス精神旺盛の濡れ場を披露してくださる。

でもアダムが登山家であるという設定が、こんな怒涛の展開にもちゃんと説得力をもたせています。彼は危険な雪山から生還したヒーローとして仲間やメディアに讃えられている一方で、かつて登山中の事故で恋人や仲間を亡くしています。臨死体験をし、光と闇の両方を抱えているわけなので、そりゃあ放たれる色気も半端ないでしょうし、体力だってそこらへんの男とは比べものにならないでしょう。アリスが彼に惹かれるのもわかる。少々勢い余りすぎて雑に思える展開も、いい歳した大人だし、まあそういうのもありか、と思える。

昨今の日本のテレビドラマなんか、延々とまどろっこしいことやってるじゃないですか。放送上の規制が厳しいんでしょうけども、それにしたって、いつまでやってんねん、みたいな茶番が多すぎるでしょ。もう少し『キリング・ミー・ソフトリー』の思い切りのよさを見習ってもいいんじゃないかと思います。

また、アダム役のジョセフ・ファインズのねっとりした目つきが不気味で、執着心強めな言動が気持ち悪さを醸していて、サスペンス自体はしょぼいけど、それを目立たせなくするほどの不穏な雰囲気を作っていました。間違いなく作品の功労者です。

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ちなみにこの方、『ハリー・ポッターシリーズ』でヴォルデモート卿を演じたことでも有名な俳優レイフ・ファインズの弟なんですよ。

幻覚を見る男とワーカホリックの女


どうも、こんにちは。

主人公が不眠症という設定の映画、結構たくさんあります。本日はそんな作品を大放出。まずは主人公が慢性的な不眠症を抱えているサスペンスを4つご紹介します。



マシニスト(2004)

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機械工のトレバー(クリスチャン・ベイル)は一年間も不眠状態で、体は痩せ細ってガリガリに。やがて周囲では不可解なことが起き始め、精神状態が不安定になっていきます。肉体改造芸人としておなじみのクリスチャン・ベイルが決死の激痩せを敢行した作品として有名です。



ファイト・クラブ(1999)

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不眠に悩む主人公(エドワード・ノートン)は、博識でファンキーな男タイラー(ブラッド・ピット)と知り合い、ふざけながら殴り合いの喧嘩をしたことで失っていた生命力が全身に漲るのを感じます。二人は意気投合してファイト・クラブを開き、そこは殴り合って生きている実感を得ようという男たちが夜な夜な集まる場所になります。ブラッド・ピットのイカれ男っぷりが愉快痛快かつ非常にかっこいい。



女神の見えざる手(2016)

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敏腕ロビイストとして名を馳せるエリザベス(ジェシカ・チャスティン)は、銃規制法案成立を目指す小さなロビー会社にスカウトされ、その手腕を遺憾なく発揮します。ところが、使えるものは何でも使い、目標達成のために手段を選ばない彼女には敵も多く、同僚との信頼関係も徐々に危うくなっていきます。失禁しそうなくらい主人公がかっこいいんだけど、もしこれが自分の上司だったら即行で仕事やめると思います。



ノクターナル・アニマルズ(2016)

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アートギャラリーを経営しセレブな生活を送るスーザン(エイミー・アダムス)のもとに、元夫の小説家エドワード(ジェイク・ギレンホール)から小説が送られてきます。その暴力的な内容の作品のタイトルは「ノクターナル・アニマルズ(夜の獣たち)」。決して己を曲げない強い性格のスーザンのことを、かつてエドワードは、そのように皮肉って表現していました。


最初の2作品は主人公が平凡な男性で、自分に自信があるタイプではなく、社会的にはどちらかというと弱者です。一方で、後半の2作品は仕事こそが生きがいという成功者の女性が主人公です。眠れない時間も無駄にはしない鬼のような女たち。むしろあえて眠らないくらいの勢い。

不眠症の男は弱々しい。しかし、不眠症の女は刺しても死ななそう。この違いはおもしろくないですか?


まだまだいくよ。ここからはジャンルごとに。


〈正統派刑事サスペンス〉
インソムニア(2002)

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数々の難事件を解決してきたベテラン刑事が、捜査中に起きた出来事をきっかけに一睡もできなくなります。眠れない状態のリアルさにかけてはこの作品が一番じゃないかと思います。1997年のノルウェー映画のリメイクした、クリストファー・ノーラン監督の作品です。ただ困ったことにエリー役のヒラリー・スワンクが水原希子にしか見えない。



〈変わり種〉
フローズン・タイム(2006)

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失恋して不眠症になってしまった男子美大生が長い夜を持て余し、24時間営業のスーパーでバイトを始めます。主人公が童貞くさいのに違うし、女の子に意外と気の利いたこと言うので、もしかしてお前モテるのか?という感じです。カラフルでポップでおもしろいです。眠れない夜に観たら幸せな気分で眠れそう。



〈アクション〉
イコライザー(2014)

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ホームセンターで働く元CIAエージェントの最強あしながおじさんの話です。水に打たれるデンゼル・ワシントン、やーばいかっこいい。以前の記事「ジェシー・アイゼンバーグは陰キャのカリスマ」で、ホームセンターでのバトルは新しいと申し上げたのですが、この作品もホームセンターで派手にドンパチしてました。現在、続編も製作されています。


以上、不眠症といってもいろいろ描き方があるねという話なんですけれども、最後の『イコライザー』に関しては、ずっと寝てないはずなのに動きがキレキレで全然意味がわからなくておもしろい。